カイロプラクティックの治療技術にはたくさんの種類があるが、中でもカイロプラクティック創始者の息子BJパーマーのHIO理論に基づく、

上部頚椎テクニックという治療技術がある。

このテクニックは一見すると、首の治療技術かと思うのだが、さにあらず。

どんな症状でも、頚椎1番2番しか治療しないのである。


腰が痛かろうが、喘息であろうが、精神病であろうが、
である。

これらの症状には何の一貫性も見られない。しかし症状を感じているのは、その症状を持つ人である。このテクニックは、そこに注目する。

病気や症状の主たる原因は、人間に内在すると定義する。

そのため、内在するであろう自然治癒力に全てをゆだねるのである。

頚椎1番2番を調整することにより、自然治癒力が最大限発揮され、その力により、病気や症状が治るというテクニックである。

自然治癒力に着目すれば、すばらしい魔法の杖のような治療術である。どんな病気、症状にも効果があるのだから。

しかし、批判の的にされやすくもある。なぜなら、患者が来る前に治療する場所が決まっているから。

ストレート系のカイロプラクティックを学んだDCでも、この治療術に懐疑的であったり、ナショナル系のカイロプラクティックを学んだDCは、この治療法を知らなかったりする。

特殊といえば特殊な治療術なのだが、カイロプラクティックを語るには、避けては通れない治療術である。


このHIO上部頚椎テクニックの肝は、固有感覚受容器がたくさん集っている頚椎1番2番を治療することにより、体性感覚野を活性化させ、辺縁系、扁桃体等の情動や本能の部分のシナプスを変化させることにより、治療効果を上げているのである。


本能の部分や自然治癒力の力を、カイロプラクティックでは、イネイトと呼び、その働きは万能であると定義されている。


では、NAETはどうか？
NAETジャパン代表の増田裕DCは、特異的な上部頚椎理論を、「答えが決まっているから、後はリスティングを出すだけ」
とその特異性ゆえの問題点を指摘していた。


ひるがえって、NAETも結果としては上部頚椎と同じである。

NAETの治療原則は、アレルギー物質との調和、共存であるから、どんな病気、症状でも、治療方法は同じである。

具体的な方法は書けないが、病気や症状がアレルギーに由来するものであれば、そのアレルゲンを見つけ出し治療するという流れなのである。


アレルゲンの範疇は多岐にわたるが、治療する範囲が大きいだけで、後はアレルゲンを見つけ出すだけ。答えは決まっているのである。

似通っているところはたくさんある。

例えば、適応症状。アレルギーに起因するどんな疾患、症状にも有効である。というところ。

NAETが利用する所も、辺縁系、扁桃体等である。

症状はアレルギーが作り出している。この定義は普遍。
あとはアレルギーを特定して、除去するだけ。


今こそ上部頚椎理論（HIO学説）をNAETの治療に携わる人は反面教師にしなければいけないし、教師にもしなければならない。


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